４．京都の黒幕の盛衰

京都信用金庫の『結束の集い』と安室奈美恵の移籍

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1980年頃から毎年12月に入ると『結束の集い』と題して各支店より３∼４名づつが順番に京都の主要ホテル１０件の内いづれかの大広間での毎日パーティーが催されました。３００人ほどが入れる会場で都はるみや由紀さおり 等の一流歌手を呼んでの大宴会です。山段芳春主催のこのようなパーティーが彼の亡くなる前まで約１８年続きました。

こうして京都の黒幕的存在として隠然たる力を誇った彼も、京都銀行の株買占め事件に際しての対応が誤解を招き、更にイトマン事件での司法よりの追及などから、後に各界から離反者を出すことになる。加えて田中角栄→竹下登・金丸信の影響力を背景としての野中広務が勢力を増すなど、ドンとしての影響力は次第に衰えていく。

広大な人脈を背景に京都社会に類稀な利権構造を築き上げ、その頂点に君臨した人物であることから京都の田中角栄と呼ぶ者もいました。

また当時 安室奈美恵が所属事務所をエイベックスに完全移籍し、安室が１９年間世話になった前所属事務所会長と距離を置き始めたきっかけとなった巨額脱税事件にも関与していました。

２００１年国税庁から年間２５億円という巨額の所得隠しを摘発され元会長は２年４か月の実刑判決を受けたが、この事件の捜査や公判で元会長のブラックな実態が次々出てきた。

所属事務所のタレントのプロデュース費用等を一旦取引先に支払い、大半を戻させ１０億円以上の裏金を捻出していた。そのカネを暴力団関係者や支援者にばらまいていた。

２００２年６月の公判で故内田和隆という人物にヤクザ対策費として４億５千万円支払った。(実際は観月ありさの預り金)

裏金は暴力団の他にも政界や芸能界、そしてマスコミにもばら撒かれていたことが次々と発覚した。(古い興行師がよくやる手口ですね)

故 内田和隆(目黒雅叙園会長・近畿放送元社長・京都新聞元取締役)の親戚は内田恭子である。内田恭子はフジテレビ元社員で吉本興業執行役員と結婚。

京都の2大資産家、京都の元締めともいわれた山段芳春と内田和隆は経世会(旧竹下・旧橋本派)のブレーンで竹下登、野中廣務、青木幹雄、吉本興業(桂分枝・明石家さんま・松本人志・濱田雅功・島田紳助)、千代の富士、観月ありさの支援者だった。

この事件は広がりが非常に大きく、雅叙園観光、近畿放送（KBS京都）、関西新聞、大阪府民信用組合などが闇に飲み込まれていきます。

リゾート、ゴルフ場開発あり、不動産取引、絵画・貴金属取引があり、バブルの投機物件が勢ぞろいする姿はある種、圧巻ともいうべきものです。その発端となったのは、許永中とイトマンの間で繰り広げられた絵画取引とされ、取引件数211点、557億円に昇るもので、仕入れ値の3から5倍もの、それこそ言い値でイトマンは買っていくのです。

その取引は磯田頭取の娘から始まり、西武百貨店から買い集めた絵画であったことが、セゾン・グループの闇の一部を構成することにもなります。

イトマンの債務1兆2千億円の内、3千億円とも6千億円ともいわれる金が闇の勢力に渡ったとされます。 竹下、亀井などに渡った政界工作資金もまた、膨大なものがあったとされ、いまだ、その謎は解き明かされることなく消えています。