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乃木坂46 東京ドームツアー AKBと一線を画す魅力

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7月初めにスタートした乃木坂46「真夏の全国ツアー2017」
明治神宮球場を皮切りに宮城、大阪、愛知、新潟でそれぞれ開催された。そんな地方公演も含め、約4ヶ月をかけて回ったツアーはグループ史上最大規模の会場、ここ東京ドームで11/7~8で締め括られました。

乃木坂46

開演時間から少し経ち、客電もまだ落ちていない状態でどこからともなく聞こえてきたハンドクラップ。それはアリーナにいた警備員たちが打ち鳴らし初めたもので、観客を煽りながらステージへ上がり始める。フラッシュモブ的なギミックで女子高生や会場スタッフの姿をしたダンサーも登場しステージを埋め尽くすと、ノンストップで“OVERTURE”へと突入し、ライブは幕を開けた。

記念すべき日に選ばれた1曲目は、デビューからアイドルの王道を突き進んできた彼女たちの最初の転機ともなったシングル曲“制服のマネキン”だ。センターの生駒里奈を中心に大勢のダンサーと共に披露されたバッキバキのダンスチューンは一瞬にして5万人を支配した。序盤は西野七瀬が「東京ドーム、最高の時間にするぞー!」と叫び、ハイテンションで駆け抜けた“夏のFree&Easy”を始め、“裸足でSummer”、“太陽ノック”といった夏ソングを立て続けに披露。立体的に上下するセンターステージや電飾で輝いたフロートなども使い、大きな会場をフル活用して観客を盛り上げる。

乃木坂46

キャプテンの桜井玲香を中心に、今日に至るまでの意気込みや決意を述べたMCを挟んだ後は、彼女たちのデビュー曲にしてグループの原点である“ぐるぐるカーテン”、そして演劇的な昭和歌謡を彷彿とさせるミドルナンバー“バレッタ”へと続く。

表情や動きで楽曲の世界を見せることを学んだ彼女たちの確かな成長が見受けられた。そのままバトンは3期生に託され、“三番目の風”、“思い出ファースト”を全力でパフォーマンス。大きな会場で一番小さい存在である12人は「これからを担う乃木坂46の顔」として、全く臆することなく堂々としたステージを見せた。

アンダーメンバーのセクションでは、齋藤飛鳥衛藤美彩など過去にアンダーを経験し、今や乃木坂を代表する顔となった面々が各楽曲に参加。

会場が暗転すると西野がゆっくりと登場し、液晶ビジョンの床で作られた後方のステージにて映像とリンクしたダンスを披露する。幻想的なグラフィックは徐々に他のメンバーを誘い、皆が揃うとドラスティックなダンスナンバー“命は美しい”へ。

無数のレーザーがステージを囲むなか、メンバーの表情がはっきり見えずとも、その一糸乱れぬ動きとちらつく彼女たちの殺気立った眼光にただただ圧倒される。その勢いは3期生の大園桃子与田祐希がダブルセンターを務めた“逃げ水”をクッションに挟みながらも、火柱が吹き上がる“インフルエンサー”で再び全員のキレのあるパフォーマンスまで途切れることはなかった。この温度感の波も乃木坂らしいライブの展開だ。

特別に行われたダブルアンコールの“きっかけ”では、グループからの卒業を発表している伊藤万理華中元日芽香を中心に、ふたりとの思い出を刻もうと代わるがわるスキンシップをとるメンバーの姿がとても愛らしかった。グループ結成から6年間、出会い以上に別れを経験し、数少ない出会いから「かけがえのないもの」を得た乃木坂46。卒業する者。残る者。形は違えど、全員がこれから上る坂道は彼女たち自身が決心して選んだ道だ。
《決心は自分から/思ったそのまま…/生きよう》――“きっかけ”の最後のフレーズを歌い終えたメンバーは、東京ドームに数え切れないほどの笑顔と涙を残して次の坂道へ走り出していった。


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 これがAKB48だと、かつての前田敦子大島優子ら元祖神セブン、今ならば指原莉乃ら、グループきってのスターをライブでも思い切り引き立たせる、主役に据える傾向が強い。しかも、出演人数は100人以上。おのずとメンバー格差が大きい。

一方、乃木坂は、写真集を24万部も売っているグループ1のスーパースター白石麻衣ですら、コンサートでは特別扱いはしていなかった。いちメンバーの1人として、必要以上には目立たせていなかった。このコンサートを最後に卒業する中元日芽香、伊藤万理華も、AKBならもっとスポットライトを当てる時間が長かっただろう。

乃木坂は、可能な限りにメンバー間の平等さを保っていた。その“平和感”が、5万5000人のファンにグループ全体を応援させるという、いわゆる「箱推し(グループ全体のファン)」の雰囲気づくりに役立っていると感じた。

実際に、ユニット曲という数人だけで歌う曲は数曲にとどめて、大人数で歌う曲をずらりと並べた。
AKBならば、このユニットコーナーで、指原渡辺麻友ら超選抜メンバーがセンターの曲で、もっと個を目立たせる。ファンも「僕はさっしーファン」。「私はまゆゆ推し」といった、通称・単推し(メンバー個人を応援する)ファンが、客席に多い。

なので全観客の一体感は、明らかに乃木坂46の方が強かった。これだと、知名度の低い若手メンバーが大スクリーンに映っても、大勢が素直な気持ちで応援できる。多幸感にあふれたコンサート会場だった。

最も大切なのは、コンサートの来場者たちが満足をして幸せに家路につけるかが、エンターテインメントの基本。AKBのような驚くサプライズ、須藤凜々花の結婚宣言のような社会ニュースになる話題性は起こさないが、一番大事にするべきファンに優しいグループであり続けているルックスが清楚でかわいいとかもあるが、この多幸感、平和感こそが、乃木坂の人気が上り坂一途の最大の理由だと感じた。


(日刊スポーツ&Rockin’on より)

付録:下着姿の白石麻衣、乃木坂史上最高セクシーショット

白石麻衣

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