2017年3月 森友学園の籠池泰典元理事長の証人喚問から2年
2018年3月2日 国有地取引をめぐる財務省の決裁文書について、問題発覚(2017年2月)後に書き換えられた疑いがあると朝日新聞がスクープ。
そして森友学園の国有地売却に携わっていた財務省近畿財務局の男性職員である赤木俊夫さんが7日に神戸市内の自宅で首をつって死亡していたことがわかりました。
朝日新聞がスクープした森友学園への国有地売却の決裁文書「書き換え」疑惑が大きく動き出した。
これまで「知らぬ存ぜぬ」を貫いてきた財務省が12日、ついに白旗をあげ、書き換えを認めました。
「書き換えの“主犯”は森友への国有地売却が発覚した昨年2月当時、理財局長を務めていた佐川宣寿前国税長官ら幹部。佐川氏は国会で売却の経緯を責任者として説明したが、決済文書の内容をそのまま、公表すると辻褄が合わなくなるので、近畿財務局幹部らに書き換えを指示したようです。関与した財務省幹部、近畿財務局職員らの処分が検討されています」
国会が疑惑解明へと動き出したきっかけは9日朝、永田町を駆け巡った疑惑のキーマンの1人とされる近畿財務局職員赤木俊夫さんの自殺の一報だった。
その直後、佐川前国税庁長官は逃げるように辞任しています。
特例処理承認の為の決裁文書の改ざん
そもそも近畿財務局による決裁文書とは、森友側に特例的に土地を10年間貸し付けることを理財局に承認申請を行うための「特例承認の決裁文書」が作成され、それを受けて「貸付決議書」が作成され、さらに平成28年6月の売買契約時に「売払決議書」が作成されものなのです。
この偽造公文書は14の文書に分かれ全78ページ中62ページ、290箇所が削除・改ざんされていました。
またこれは国会だけでなく、国土交通省をはじめ国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関であるあの会計検査院にも提出されたいたのです。(当初 会計検査院へは改ざん前の文書が提出されており、こちらでは元々2種類の文書があることを知っていた)
削除された部分とは
削除された部分では、森友学園前理事長の籠池泰典(本名:籠池康博)氏のことを、日本最大の右翼団体、日本会議の大阪版にあたる「日本会議大阪」の代表・運営委員と紹介。
この日本会議と連携する議員懇談会の副会長に「安倍晋三総理」、特別顧問に「麻生太郎財務大臣」、会長に「平沼赳夫議員」と書かれていました。
このような誰でも知っている事実をわざわざ公文書に記載すること自体不可思議でなりません!
それから昭恵夫人から「いい土地ですから、前に進めてください」とのお言葉をいただき、26年4月に昭恵夫人が森友学園を視察し講演したとの記述や写真、安部首相夫人が学園の教育方針に感涙した旨の記載等も全て削除されていました。
そして自民党の平沼赳夫元経済産業相、自民党の鴻池祥肇(こんにゃく1丁で有名になったあのオッサン)・元防災担当大臣、北川イッセイ元参院議員ら政治家の名前を含む売却までの経緯が削除されていたのでした。
森友疑惑 自殺した近畿財務局職員の妻の無念「1人で抱え込んだ」“主犯”は佐川前長官?
森友学園の国有地売却に携わっていた財務省近畿財務局の男性職員である赤木俊夫さんが7日に神戸市内の自宅で首を吊って死亡していたことが9日明るみになりました。
遺書のようなメモを残し、神戸市内の自宅で7日首を吊ったのは、森友学園の籠池泰典前理事長と直接交渉にあたっていた近畿財務局統括国有財産管理官(当時)の直属の部下だった赤木さん。
赤木さんの遺体は10日午前、故郷の岡山県内の葬儀場からひっそりと出棺された。
遺族の知人は言う。
「奥さんは『どうしてこんなことになってしまったのか』『ひとりで抱え込んでしまって、ずっと休んでいた』『あんな担当になり、巻き込まれてしまった』と泣いていた」
赤木さんは体調を崩し、昨年秋から休職中だったそうです。
「赤木さんは森友への国有地売却交渉がほぼ終わっていた時、前任者から引き継いだだけ。
(昨年2月に)森友問題が発覚してからは、ずっと帰宅が深夜で、朝も早くから役所に来ていました。休職前もつらそうな顔で歩いていたので『大変ですね』と声を掛けると、小声で『ええ』という返事があっただけでした。
もしウチ(近畿財務局)が文書書き換えに関与したのなら当然、赤木さんの名前は思い浮かびます。『天の声でやらされて、休職に追い込まれてしまったのか』とずっと噂になっていました」(近畿財務局関係者)
赤木さんは正月明け、新年のあいさつで職場に顔を出し、春の復帰を目指していたという。
朝日新聞の報道(3月2日付)で文書書き換え疑惑が浮上した直後、再び職場にひょっこりと顔を出したという。
「かなり体調がよくなってきました」と関係各所にあいさつしたが、わずか数日後に自ら死を選んだ。
赤木さんの自殺について9日の会見で質問された麻生太郎財務相はこう言葉を濁しています。
「大変残念で誠に悲しい話だ。(佐川氏の)辞任と直接つながったように(メディアは)報道したいんだろうけど、私はわからない」と。
赤木さんの妻の親族は麻生財務相、財務省に怒りを隠さなかった。
「麻生財務相の会見をテレビで見てて本当に腹が立ちました。このままでは、死人に口なしで赤木さん一人だけが悪者にされてしまう。洗いざらい全部、真相を明らかにしてほしい」
昨年10月には赤木さんの妻の父親の法事があり、赤木さん夫妻は岡山に里帰りし、墓参りをしていたという。
赤木さん夫妻は互いの仕事を大事にし、子どもはいなかったという。
「赤木さんは芯が強くて仕事もしっかりやれる人物。精神的にも、タフですよ。それが自殺とは、よほどのことがあったのではないか」(別の近畿財務局関係者)
もともと近畿財務局は森友側との交渉には乗り気でなかったようなのです。
財務省は昨年1月、神戸学院大の上脇博之教授による情報公開請求に対し、森友学園への国有地売却関連文書を5件、2月には20件、計約300ページにのぼる文書を国会に提出したが、それらをひもとくと、2015年半ば、近畿財務局と森友側の交渉が暗礁に乗り上げていたことが読み取れる。
同年4月には、森友側が軟弱な地盤を理由に貸付料の減額を求めてきたことに対し、省内で「『無理に本地を借りていただかなくてもよい』と投げかけることも考えている」と契約破棄も検討していた。
ところが、安倍昭恵首相夫人が同年9月に小学校の名誉校長に就任したころから風向きがガラリと変わった。
同年11月には、昭恵夫人付の政府職員が同省に「問い合わせ」、回答のファクスを森友側に送付。
そのころから交渉内容が一変していく。賃貸契約の破棄を検討していたはずが、同年12月には「国有地の売買価格の交渉」、さらには「売買価格を学校法人に提示して買い受けの可否を判断させるなどの調整が必要」と変貌していました。
佐川氏が9日、辞任した後、麻生財務相は一連の経緯を説明したが、支離滅裂だった。
辞任は佐川氏からの申し出だと説明したにもかかわらず、「国有財産行政に関する信頼を損なったことを踏まえ、減給20%、3カ月の懲戒処分にする」と発表。退職金から差し引くと言いながら、国税庁長官に任命した自らの責任を問われると、「彼はきわめて有能だし、真面目」「適材適所だった」と矛盾する弁明をしたのでした。
上脇教授がこう批判する。
「佐川氏を懲戒処分にしたのであれば、本来は更迭しなければならないはず。その理由は文書書き換えか、虚偽答弁か、文書破棄か。麻生財務相は説明する責任があるのに、まったく果たしていない」
佐川氏の辞任で財務省は事実上、これまでの“虚偽答弁”を認め、白旗を揚げたようなものだった。新たな森友文書書き換え疑惑で告発状が出れば、本省もガサ(強制捜査)をかけられるかもしれない。
上から捜査を終了してはどうかという打診も出ていたが、指揮する山本真千子・大阪地検特捜部長が粘り、まだ継続中です。
2月末には、大阪高検検事長が上野友慈(ゆうじ)氏に交代した。
彼は今回の大阪勤務は7回目であり、大阪の特捜部時代にイトマン事件、横山ノック知事の強制わいせつ事件など大きな案件を手掛けた敏腕。
森友疑惑を徹底してやると噂になっている、といった有望な人物(大阪地検関係者)だそうです。
日本の三権分立に大きな歪みを残した今回の公文書改ざん事件、国民が納得するまで徹底的に掘り下げて、解決してもらいたいものです!