移動出張所1年経過
母店の長岡支店には外交の営業マンが10名いました。
出張所の職員も昼の食事と夕刻帰店後は長岡支店にいた為、最初はお客様といった感じだったのですが、1年ほど経つと同じ支店の職員同士の雰囲気になりました。
私も営業が一人ぼっちでは可哀想と上から言われ、長岡支店の営業会議に参加するようになっていました。
営業会議で個別に営業係が与えられた目標との乖離をどうやって補填するのかを上司からツメられているのをハタで聞いているのも辛いものでした。
「また今月もババ垂れんのんか!」「誰がお前のケツ拭くねん!」「お前そんなに自分の客が大切なんか❓」「お前誰から給料もろてんねや!」「客からもろてんのか?」「お前、◯◯とこで定期300万もらう言うてるけどその原資は何やねん?」「ほんまにする言うとんのか?」
怒鳴る上司も店の事業計画の達成が至上命令の為、確実な数字を掴もうとする。
営業係は何とかその場を速く切り抜けようとする。時間は夜9:00をとっくに回っている。
このような情景を10年以上見なければならないとは、当時予想もできなかったものです。
教訓:1 既先の顧客の引き継ぎは極力最低限に押さえる
母店の上司から出張所の3拠点近くの母店の顧客を担当して行ってほしいと良く頼まれました。
私は上司の気分を害しない程度に断り続けました。これは後にUFJ銀行に勤めるようになってからも変わらない姿勢でした。
「貴方の前に担当してくれていた◯◯さんは今 ◯◯の支店長なんですね。先週ウチに寄ってくれました」「前の人はこんなこともしてくれました」
等々 既先の客はもうこれまでの担当者が、これまでに枯れ木も生えないくらいに全て取り尽くしてあとは客の御守りだけなのです。
だから新規訪問中も「ウチはお宅との取引は長い」とか「お宅の◯◯支店で借入があります」といった先よりも
「ウチは◯◯銀行と取引が先代から続いています」「今更銀行を変える必要はない」と言われる先がありがたいのです。
だって、もし取引の移行ができればなにもかも全てが手に入るわけですから。